上海。私が降り立った「浦東(プウドン)空港」は、あの日本一大きい成田空港も足元に及ばない程の大きな空港でした。
「世界は見ておくものだなアー」・・・・と上海の第一印象。
空港から車で45分程で上海市街。あちらこちらで高層ビルの建設ラッシュ。非常に活気に満ちた、エネルギーに溢れた街。その近代建築の狭間に残された昔ながらの古い家屋、建物は容赦なく壊されていきます。
中国は土地は全て国の持ち物で、強制的に立ち退きをさせられます。
この建物もいづれ壊されるでしょう。
およそ65年ほど前、日本がまだ戦時中の時に私の父がこの上海に足を踏み入れているのです。
母の話に依ると飛行機の大嫌いな父は家族と「別れの水盃」を交わしてプロペラ機に乗ったそうです。
目的は『狼煙(のろし)は上海に揚がる』という映画のロケ。
この映画は満州でロシアにフィルムを没収され、7〜8年程前に日本に返還されたという映画。
父が演じる高杉晋作が中国語が喋れず中国人の商人とチグハグな会話をするとてもユーモラスなシーンやら、父が英語を話す等、戦時中に良くこの様な海外ロケが行われたものだと驚かされます。